第二章  運命の姫君

 第二話 唯一の楽しみ

   <小説>   

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 太陽が真上に来た頃だった。
 床を蹴る、聞きなれた音がする。軽快で落ち着きのないその足音が誰なのか月華には分かっていた。

「月姫様。惟高様がお見えになりました」

 御簾をくぐり、とび込んできたのは予想通り若菜だった。
 屋敷にいる者なら、足音で誰なのか分かった。ただ、安里だけは忍び足で現れることが多いので気付かない事もある。
 近づいてくるのは規則正しい力強い音、それは惟高だった。
 脇息にもたれかかっていた体を起こし、乱れた着物を整える。惟高が部屋に入ってくる前に背筋を伸ばした。

「ご機嫌はいかがですか?」

 月華は、大人しく御簾の中に座っていた。
 この中にいれば、惟高にどんな格好で座っているのかなど分かりはしないが、彼の雰囲気がそれを許さなかった。
 厳格な男と言う雰囲気がある。
 幸成が一番信用していた男だ。どうして信用していたのかも感じとっていた。
 彼は、嘘をつかない。そして、厳しい中にも優しさがある。自分達を支えている人間のひとりであることはよく分かっていた。
 それでも、惟高は苦手だった。
 抜け目のない張り詰めた男で、少しでも道から外れると厳しい言葉が飛んでくる。それが優しさの上になり立つ言葉でも、月華には痛かった。
 鋭い目でいつも心の中まで見透かされているようで怖かった。
 月華だけでなく、大抵の若い女なら同じ印象を受けるに違いない。
 趣などありはしない、彼にあるのはそこに存在する現実。それは高貴な姫に印象が良くないのは確かだった。

「もちろんです。変わりなく元気です」 

 毎日、同じ会話から始まる。

「それは良かった、こちらが皇太子様からお預かりした文でございます」

 差し出された文を、若菜が中に持ってきた。その文を見て嬉しそうに微笑んだ。
 文にはいつも素敵な思考があしらわれていた。
 季節にあった綺麗な花や、かわいらしい飾りを秋雅は忘れなかった。月華が喜ぶように、ひとつひとつに気が使われている。

「有難う、後で返事を渡します」
「それでは、帰りにお持ち致します。私は仕事がありますので失礼させていただきます」

 惟高は、毎日秋雅からの文を持ってやって来る。そして、この屋敷の細かな仕事を片付けてから文を持って京に帰る。
 主上は、月華を男と接触させぬ為にありとあらゆる対策を練っていた。
 美しい姫と言うだけで男の気を引くものである。
 それにくわえて、天命を受けたとなると一目でいいから見てみたい、一度でいいから会って見たいと思うのが常であった。
 通いやすい平安京の中に置くなど絶対にあってはならない。どんな不届き者が現れるかわからない。人の溢れる京より山中に隠した。まるで、神域のように印象付け踏み込むことをためらうような場所を作り上げた。
 手の届かないところにある月華はより一層人の気を引いたが、命をかけてまで手に入れようと大それた行動にでるものは現れることはなかった。
 主上の思い通り間違いは起きず、注目を集める姫という存在も都合がよかった。
 神のような月華の存在が平安京の平和を守っていると思い込ませ、特別な存在として秋雅と月華を政の為に利用した。
 その手腕は、混乱した時代を乗り切っただけのことはある。
 けれど、主上の思惑のため、月華は自由を失った。狭められ、創り上げられた世界の中だけで生きる月華にとって、生まれたときからの許嫁の秋雅だけが数少ない理解者だった。
 一度も会った事のない秋雅の事を月華は何でも知っている。それは毎日文のやり取りをしていたおかげだった。
 秋雅をとっても尊敬しているし、大好きな人でもあった。何でも話せる大切な人だ。比べる相手がいないが、秋雅が結婚相手ということに不満などない。素直に天命を受け入れていた。

「姫様、皇太子様から砂糖菓子が届いております。今お持ちしますね」
「まあ、砂糖菓子?大好きなの!」

 喜びの声と共に御簾に手をかける。飛び出そうとした瞬間、惟高の声が月華を凍らせた。

「姫様!姫たるもの、不用意に御簾からおでにならぬようにして下さい」
「いいじゃない、ここには他に誰もいないのだから」
「なりません。姫はいずれ京で暮らす事になります。誰の目に止まるかも分からない場所へ行かれるのです。東宮妃ともなると教養も人知れず大切なものになります。それは習慣、ここでもしっかりと身に付けていただかなければなりません」

 厳しい口調で説教を始めた。

「いいですか、入内は女にとって名誉な事。皇太子はあまり内裏を出ないのです。普通の貴族の男と違って家柄で結婚が決まります。月姫はたくさんの姫君たちから羨ましがられておいでです。内裏に入っても常に注目されるのです」

 長い言葉を一気に吐き出した。

「分かっているわ」

 小さく呟くと、月華は大人しく御簾の中に消えて行った。それを見届けると、冷たい視線を残したまま惟高も部屋から姿を消した。
 惟高の言うことは事実。それでも厳しい言葉は突き刺さる。ここにいる間くらい自由に暮らしたいと思うのが月華の思いだった。

「京での暮らしなんて知らないし、貴族の姫の暮らし方も知らないわ。笑われても恥をかいてもこれが私の暮らしてきた人生よ。習慣だわ。教養豊かな人がいいのなら、ここで暮らさせずに初めから内裏の中に監禁すれば良かったのよ」
「姫様……」

 若菜に聞こえるように呟いた。若菜は心配そうな視線を向ける。

「いいの、いつものことだし、気にしていないわ」

 にこりと笑う顔には、惟高の言葉など関係ないとか書かれているようだった。

「おいしいものでも食べて、気晴らししましょう」

 若菜が部屋を出て行くと、ごろりと床に転がった。惟高に見せたらまた説教が始まりそうだったが気にはしなかった。

「ここにいる間くらいのんびりしたいわ。あとわずかだし。それにしても入内することは周りの目が怖そうね。私みたいな家柄も地位も低い姫がとなるとよけいに風当たり強そう……挙句に天命がついて回る。無事に暮せるといいのだけど……」

 結婚と同時に秋雅は帝に即位する。
 主上の妻のひとりになる月華は、何人もの妻と比べられ、寵愛を受けるかを争う。どんな勝ち負けがあるか分からないが、嫌でもその姫たちの争いに巻き込まれるだろう。
 すでに戦いの場から外れている事を月華は知っていた。特に寵愛が欲しいとは思わない。定めに従う為の結婚である。秋雅との関係も今と変わらなくてもいい。些細なやりとりだけでいい、月華は他には何も望まない。
 ただ、今の関係を止めなくてはならないと言うのなら戦わなくてはならない。
 月華が欲しかったのは主上に愛されると言う事ではなく、独りだという孤独から抜け出させてくれる秋雅の存在だった。
 自分を理解し、支えてくれる人、家族が欲しかった。
 夫でなくてもいい、親でも兄弟でも誰でもいい、愛情を例えるなら秋雅は父であり、兄だった。
 恋など知らない、大人の恋愛も分からない。そばにいて、自分を大切に思ってくれる存在さえいればそれでよかった。
 周りが思っているより月華は大人ではなかった。
 特に恋愛ごとに関してはまったく無知で、知りたいとも思わなかった。知ったところでどうなるものでもない。秋雅以外目に入れてはいけないのだ、彼だけを求めていればいい。
 時々天を恨む事がある。なぜ自分を選んだのかと。
 感謝の気持ちとは裏腹に、その思いを捨てきれない。天命も入内もすべてが重くのしかかる。
 もし、自分を支える他の誰かが現れたら、秋雅よりその人を選ぶかもしれない。その人が天命から解き放ってくれる人ならば、きっと着いて行くだろう。月華にはそれほど天命は重たかった。
 若菜は月華の部屋から出ると、重たい足取りで歩いていた。端の部屋で安里と惟高が金銭の話をしているようだった。ひそひそと話す声に若菜は足を止め、なんのためらいもなく中に進み出た。

「惟高様、ひどいではないですが」
「何だ若菜、不躾に」
「姫様はずっとここにいるのです、私たち相手に作法もありません。堅苦しいと疲れてしまいます」
「あの方はいずれ、毎日そういう堅苦しい生活をしなくてはならない場所に行かれるのだ」

 若菜の言葉にまったく動じず、惟高は言う。あからさまに嫌味をこめて、堅苦しい世界を強調した。栄華の世界を堅苦しいと言うとはとけしからぬという思いを込めての言葉だった。

「それはそうですけれど、かわいそうです。天命だかなんだか知りませんけど、姫様の幸せを奪う権利は誰にもないはずです」
「なんてことを言うのだ。その幸せは、平和の上にあるものだ。幸せを守るためにも月姫には重要な天命だ。あの、ひどい平安京を子供だったお前は知らないからそのように言えるのだ」
「私は姫様が笑っているのが好きなのです。惟高様は御簾で隠れているから知らないでしょうけど、姫様の笑顔ほどすてきなものはありません。最近はほとんど笑わなくなられました。それを私たちには見せないように作り笑いをされる。私たちには決して、寂しそうな顔はお見せにならないのです。天命に押しつぶされそうな姫様の心を、惟高様は知らないのです」

 惟高に反発するように、今度は若菜が嫌味をこめて怒なりつけた。
 その瞳はかすかに赤く染まり、涙をこらえていた。
 若菜にとって月華との身分の違いなど関係ない、妹のような存在だった。幼い時から仲良くしている。仕えていると言う立場はありながらも、その思いは変わらない。
 自分の見えないところで心を痛める月華に、とても悲しい思いをしていた。それが分かっていても何もして上げられない自分が情けなかった。だから運命を呪った。

「確かに天命は月姫からたくさんのものを奪っているかもしれない。でも、たくさんのもの与えて下さっている。この暮らしがあるのもそのおかげなのだ」
「姫様はまだ十六歳です。平安京を支えるのは重たすぎます」

 若菜の言葉に、惟高は視線を床に落とした。
 突き刺さるような言葉は、彼にもよく分かっている。
 すべてを背負うには重たすぎる。たくさんの人々の希望を受け入れる、月華にかかる重圧は想像を絶するものだろう。しかし、若菜の言葉に賛成する事は出来ない。

「おやめなさい、若菜」
「でも、安里……」

 怒りが収まらない若菜を止めたのは安里だった。その表情は重たい。若菜と同じ思いを持っているのがすぐに伺えた。しかし、威厳ある態度は崩さずに鋭い視線だけで若菜を黙らせた。
 安里も辛い立場にいる。
 愛する姫を大切に思う気持ちが占める心に、かつての平安京が思い浮かぶ。幸成の心も知っている。若菜の言葉が正しいと思ってもそれに賛成は出来ないのは惟高と同じだった。

「かわいそうなのは別な事です」
「え?」
「安里まで言うか」
「皇太子様にはすでに三人の奥方がおられます。身分も月姫より高く、しかも政権争いの手中におられる姫君達ばかりです。姫様は何も望まれないでしょう。栄華が欲しいとも思わない方です。しかし、必ず争いに巻き込まれて行きます。それがかわいそうでなりません。あそこでは味方がいりません。姫様を守ってくださる方はいないのです」
「月姫なら乗越えられる。頭のよいお方だ」
「惟高様は分かっていらっしゃいません」
「何が?」

 安里の言葉に少しむっとしたように聞き返す。

「姫様は聡明で何でも出来るお方です。でも、子供でいらっしゃいます」
「もう十六歳ではないか」
「確かに歳を重ね、体は大きくなっております。でも、姫様が一番成長されたのは、十六歳のふりをすることです。すべてを理解し、天命のために生きることを一番望んでいる姿を演じられているのです」

 惟高と若菜は息を飲んだ。静寂の中に安里の声だけが響く。

「本当の姿はどうでしょう。孤独に震え、闇を嫌い、過去の記憶と戦う。寂しさもわがままも言いたいし、甘えたい。時々、表に出る子供らしさは演じている自分が消え、さらに寂しさを隠す為。心の奥底に人があたりまえのように手に入れ、成長してきた部分がある。それが姫様には欠けているのです。脆く崩れやすい心なのです。姫様が一番欲している愛情は幸成様が示しつづけた愛情です」

 安里は寂しい瞳を二人に向けた。

「惟高様。皇太子様は姫様を愛してくれるでしょうか?」

 若菜は切実に問い掛ける。

「もちろんだ。后よりも月姫を可愛がっておられる」

 慌てて答える、惟高は真剣だった。

「なら、幸せになれるかもしれませんね。愛だけなら身分など関係ありませんから」

 安里は嬉しそうに微笑を浮かべ、潤んだ瞳を拭った。

「さあ、若菜。姫様に砂糖菓子を持っていくのでしょう」
「そうでした!」

 惟高への怒りですっかり頭から抜け出ていた仕事を思い出した。立ち上がると大きな足音を立てて部屋を後にした。

「安里、私だって姫様の幸せを願っている。だから、その……」
「分かっております。厳しいのも愛情あっての事」

 口篭もった言葉を言い当てるかのように、安里は惟高を笑顔で見た。しかし、すぐさま顔を曇らせていた。

「でも、惟高様。姫様は自分を追い込む体質でございます。厳しい言葉ばかりでは殻に閉じこもってしまいます。厳しいだけでは駄目です」
「優しさは安里達が補ってくれ。私は厳しい人物、口煩いおじさんで構わない」
「まあ、私と同じで嫌われ役を買って出るのでございますか」
「ひとりでいいのではないか……」
「私は私のやり方で接しているまでです。若菜が甘やかしておりますから大丈夫でございます」
「安里はあまり厳しくするな」

 安里は、小さく笑った。

「姫様は頭のいい方ですから、惟高様の本性もわかってらっしゃいますよ……頭と心は一緒には動かないものですよね」
「やはり、ここでは人との交流がないことが月姫にとって寂しい原因なのだろうな。人との交流……世間の話…もう少し広い世界を与えて下さってもいいと、私も思っているのだが……」
「主上は考えられたのでしょう、この世でたったひとりの人は皇太子であると実感させようと。人から隔離して他には誰もいないのだと思い込ませる、天命が無くともその人しかいないと錯覚しますから」
「主上のお心は分かるが、それが裏目に出なければいいのだが」

 月華は絶対に道からそむく事はない、絶対的な信頼のように疑いさえしなかった。
 月華自身もその道を行くと疑わずにいた。
 帝は絶対人、逆らう事は出来ない。
 かつて幸成が娘の平穏な幸せを望めなかったように、月華の運命は変わることなく綴られていくと誰もが思ったに違いない。
 道からそれる事は罪なのだ。
 若菜が砂糖菓子を持って月華の部屋に戻ると、ちょうど秋雅への文を書いている月華の姿が目に入った。
 さらさらと美しい文字が連なっている。
 字は人柄を表すというが、月華の字はとても優しい雰囲気を浮き彫りにしていた。文を書いている表情がたくらみを含むような微笑を浮かべているのに気付いた若菜は、眉を動かした。

「どんなお話だったのですか?」

 筆を置いた月華は顔をしかめた。

「つまらない話よ」
「つまらない、だなんて……そんなことをおっしゃってはなりません」

 ちらりと漢字で一杯の秋雅の文に目を落とす。
 女性にこんな手紙を送るかしらと若菜は思った。
 流麗な字は連なるようにびっしりと敷き詰められていて、ひとつの隙もない綺麗な字だった。跳ねたり止めたりするひとつひとつに男らしさがにじみ出ている。納得と言う表情を浮かべた若菜はあまりにも考えていた通りの秋雅の字に笑みがもれた。
 仕事も出来、人にも慕われる人格者。男には厳しく女に優しい。楽しげな雰囲気と威厳を持ち合わせた男。
 悪い噂は聞かなかった。姿も美しく、姫たちにはかなりの人気があった。女性への人当たりもいいので勘違いする姫が多いと耳にするくらいが悪い噂かもしれない。

「つまらないわ、政の話なのだもの。女性に政の話はつまらないでしょ」
「その文を読める姫様も凄いと思います」

 若菜の手にのっている椀からかわいらしい砂糖菓子をひとつ摘み上げると、口に運んだ。甘さを嬉しそうに感じると、楽しそうに笑い声を立てた。

「あら、若菜、半分も分からないわよ。分かった事と言えば主上の変わりに秋雅様が少しずつ仕事に手を出しているって事くらいだわ。後はこの間、宴があったって話も書かれていたわね」

 楽しげな口調から寂しそうな表情へと変わり、大人しくまたひとつ砂糖菓子を口に押し込んだ。

「宴って楽しいのかしら?」
「さあ、私も行く事がないので」
「歌や楽器の演奏。綺麗な舞いに、弓の競争なんかもあるのでしょ?酒を酌み交わし和歌を読む。きっとすてきなのでしょうね」

 想像をめぐらすように夢心地に言った。

「入内されればたくさんの宴を楽しめますよ」
「そうね」
「お返事はどんなものに?」
「あまりにも暇だから嫌味を書いてしまったわ」

 子供っぽく笑う月華が楽しげに言いながら、文を藤の花に結び付けていた。

「皇太子様に嫌味ですか!」

 何て大それたことをと思ったが、口には出さなかった。

「平気よ、それくらい。戯言と思って怒ったりしないわ」

 信頼している月華をかわいいと思った。
 秋雅のことを大切に思っているのはよく分かるが、若菜には恋愛と言う言葉とは結びつかなかった。
 月華が恋に想い耽るという様子が見られないこともあったが、交わす文にまったく色っぽさがないことが一番の理由だった。
 月華は、恋を知らない。若菜は、それが少し寂しかった。

「それにしてもまめな方ですよね」
「私のことを気にかけて下さっているのよ。色々な話題を聞かせてくれる、楽しい文だわ。初めの頃はこんな難しい文じゃなかったし、私の返事も読めないような字だったけど、私に合わせて文を書いてくださる方ね」

 藤の花に結び終わった文を、黒塗りの箱に入れた。

「これでいいわ。後は惟高に持っていってもらうだけね」

 そういうとまた美味しそうに砂糖菓子を口に入れた。

「美味しいわよ、若菜。一緒に食べましょう」

 月華は想像をめぐらす。
 秋雅からの文には、見たことのない事がたくさん書かれている。
 見たこともない事をどんなものか想像するのが楽しくって仕方がなかった。思い描いた世界に思いを馳せ、想い耽る。ひとり違った世界を旅すると、時が経つのも忘れてしまうほどだ。
 しかし、そんな楽しい時間の後にやって来る現実は、寂しさを運んでくる。触れてみたい。感じてみたい。この目で見てみたい。そんな欲求が生まれる事を抑える事が出来ない。

「楽しみは後にとって置かなくてはね」

 そう自分で自分を励まし、慰めていた。いつかはその世界をこの目に映し、喜びを感じる日が来ると信じて。

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