うさぎの王子様 2011.1.1
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古くから家に伝わる物語。
神が森を支配し、王が形ばかりの王だった時代の話。
少女はずっと、その物語を信じていた。
*
古の森には、不思議なうさぎ住んでいるという。
人の言葉がわかり、話すこともできる。
そのうさぎは、かつては人だった。
美しく、賢く、優しい、森の王の息子。
森に住むすべての住人は、彼をとても愛し、慈んでいた。
森を支配していた神は、彼に恐怖を覚え、嫉妬した。
王の息子にすべてを奪われるのではないかと思ったからだ。
その思いは、日増しに強くなっていく。
王の息子の成長とともに、危機感は増していった。
そして、ついに神は王の息子に呪いをかけた。
美しかった青年は、森の獲物である小さな動物へと変えられてしまった。
肉食の動物たちに狩られる存在。
逃げ回っても命はすぐに尽きるだろう。
森の神は思った。
「もう、自分を脅かすものはない」
神とて命を奪うことは重罪だ。
自分で命を奪わず、正当な方法で命を奪う。
狼が兎を食らっても誰の罪にもならない。
自然の摂理として片づけられる。
神の罪を裁けるのは神だけ。
命の摂理を揺るがした、森の神の前に命の神が姿を現した。
森の神の行いをとがめた命の神でも、呪いを解くことはできなかった。
優しい命の神は、哀れな王の息子に自らの息を吹きかけた。
命の神の息吹は、命の息吹。
王の息子は、動物とも人とも違う命の長さを与えられた。
人に戻るまでは、その命は尽きることがないという、特別な命。
呪いを解く方法ひとつ。
姿を収めた「箱」を、王子に返すこと。
時がたち、時代が変わり、森の神が森から姿を消しても、王子の呪いは消えない。
死ぬことなく、うさぎとして生き続ける日々は幸せか?
同じうさぎとも共に生きることもできず、森の住人と仲良くなることもできない。
孤独なうさぎは、森をさまよい、呪いが解ける日を待っていた。
長い時をたった一人で、孤独と戦いながら……。
*
古の森は、少女の庭だ。
幼いころから、伝説のうさぎをもとめて森を歩き回る。
小さなうさぎに変えられた、うさぎの王子を見つけるために。
出逢えたら、人に戻してあげるのだと……。
手中にある小さな王冠をお守りに、うさぎとの出会いを待っていた。
「今日は、出逢えるかしら?」
「明日には、見つけることができるかしら?」
「明後日には、触れることができるかしら?」
今日も、少女は森の中を歩いていた……小さな、希望を胸に。
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うさぎ年なので兎のイラストをということで、描いてみました。
うさぎは可愛いですね。
前に、白兎を描いたことがあったので今回は茶色の兎。
しかも耳が垂れたタイプ。
耳が垂れたタイプを描きたかったのは、どうしても王冠をかぶせたかったからです。
王冠、王様の王冠のようで描いていて楽しかったです。
少女は、配色だけ「不思議の国のアリス」をイメージしています。
なんとなく、金髪に水色というイメージがあったのです。
衣装の形などはかなり悩みましたが、可愛い雰囲気になっていたらいいなと思っています。
絵にあったイメージを言葉にしてみました。
そんな物語が浮かんで描いたのがこの絵です。
なんとなく考えていたものを言葉にするのは難しかったです。
ページを作成するに当たりスペースがありすぎたので……。
絵ともども楽しんでいただけると嬉しいです。
うさぎの王子と少女は出会い、王子は人の姿を手に入れる。
美女と野獣とか、カエルの王子様とかそういったお話と一緒ですね。
王子は美しい青年となり、少女と恋に落ちる。
そして、めでたしめでたし、少女と王子はハッピーエンドです。
そうそう、この絵の心残りは……この時期に半袖という寒い絵になったこと。
なんとなく夏をイメージしてしまったのです。
冬の絵のほうがよかったですかね?
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使用ソフト:SAI + openCanvas4.5plus + PhotoshopCS3
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